誰もいないねぇ なんもない。
最近2歳半の息子を保育所に送る時、
途中通り過ぎる中学校の校庭を横目に彼が決まって言うセリフ
「誰もいないねぇ なんもない。」
正直、ドキッとさせられた。どこで覚えてきたんだろう? というよりほんと切ないトーンで言うからだ。
僕が小学校の時、世界はもしかすると自分の視界の範囲だけが瞬時に作りこまれていて見えていない背後の方は、実は誰もいなくて何もないんじゃないか?ってずっと考えていたのを思い出した。(僕が目移りするたびに大道具さんが慌ててセットを作りこむイメージ。)
僕も彼もひとりっ子、人間なんて所詮はひとり、死ぬときもひとり、誰もいないかもしれないし、何もないかもしれない。しっかりと両足で立てる力を蓄えねばと思う。他人にはだまされるし、期待しすぎてがっかりもさせられる。だけど人をあきらめてはいけないし、見えないところで誰かに支えられて生かされている自分を忘れてはいけない。
もしも両足でしっかり立てたなら、ゆっくりと周りを見回して、誰かにそっと手を差し伸べられる人になってほしい。最近老眼なのか、視界が少しかすんできたように思う。